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いしかわ眼科

院長コラム【目と健康のおはなし】:いしかわ眼科

院長コラム

院長コラム【目と健康のおはなし】

このコラムは2016年4月~2017年3月までHBCラジオで放送されていた”ラジオ眼科クリニック「教えて石川先生!」”の 内容をまとめたものです。

 

みなさんが気になる目のあれこれをとても詳しく、わかりやすく解説しています。

 

 


 

2017年3月のONAIR

 

放送日 内容

2017年3月4日

近視になるメカニズムが解明

きっかけは、ヒヨコ?

 

ON AIRダイジェスト


近年になって、「どうして近視になるのか?」、その近視になるメカニズムが解明されてつつあるんです。最初のきっかけは、ヒヨコでした。ヒヨコの片目に凹レンズをかけさせて育てるとその目は近視になることがわかりました。ピントが網膜よりも後ろにずれていると目の奥行きがだんだんと伸びて近視になるのです。その後、同じ実験を様々な動物で試されて同じ現象が確認されました。特にヒトに近いサルの目でも同じだとわかり、今ではヒトでも同じだと考えられるようになっています。生まれた時は眼球自体が小さいので、赤ちゃんはピントが網膜の後ろ側にずれている遠視という状態なのが普通です。そこから現実の見え方に合わせて眼球の奥行きを徐々に伸ばして近視を増やし、成長した時にちょうど網膜にピントが合っている正視になるように眼球の成長を調節しているらしいのです。このようにはるか昔から人類は成長した時に遠くが見えるような眼球の成長の仕方を手に入れていたのですが、現代では子供の頃から近くばかりを見るような生活になっています。そのような環境で生活することで眼球の奥行きが伸び過ぎて、過剰に近視が増えてしまう結果になってしまいました。確かに人間には、眼の中にある水晶体というレンズの厚みを自動で変えて網膜にピントを合わせる調節機能があります。カメラのオートフォーカス機能と同じです。調整がきちんと働いていればピントが網膜の後ろにずれることはないわけですから眼球の奥行きが伸びることはないように思えますが、人間の目のオートフォーカス機能には2つの弱点があったのです。1つ目は、近くを見るときに焦点が合わせきれない事で、本人も気が付かない程度にピントが網膜の後ろにずれてしまうのです。この現象を「調節ラグ」といいます。近くばかり長時間見ていると調節ラグで常にピントが網膜の後ろにずれてしまい目の奥行きが伸びて近視になってしまうというわけです。2つ目は網膜の中心部でピントが合っていても、中心から遠ざかったところでは網膜の後ろ側にピントがずれているということです。網膜は映画館のスクリーンのように平面ではなく、球の内側に張り付いているので形状的にしかたがないことなのです。近視になればなるほど形状が平面から遠ざかりますので、一度、近視になっていくとさらに近視がすすみやすくなる原因とも言えます。実際に人間の目の調節の弱点を補うような眼鏡が開発されました。調節ラグと周辺部のピントずれを軽減する眼鏡があるのです。しかし、眼鏡をかけなくてもいいように治療するのに、その治療で眼鏡をかけなくてはならないという矛盾があり、あまり普及していないのが現状です。その他の治療として点眼薬による治療があります。調節麻痺剤という点眼薬をつけることで近視の進行を抑制できることが知られています。ただ調節麻痺剤を点眼すると瞳が大きく開いてしまい時にサングラスが必要なほどまぶしくなる欠点があります。今のところ、昔から言われているように姿勢を正しくして本やゲームなどは30cm以上離して見るといった生活習慣が調節ラグを和らげ近視の予防につながると思います。

2017年3月11日

充血予防の目薬

意外と治りにくい結膜炎

 

ON AIRダイジェスト


病院から出る処方薬に対して、いわゆる市販薬と呼ばれるものです。その中に「目の充血をとる」という効果をうたったものがたくさんあると思います。そのような点眼薬をさしてみると確かに充血がなくなり、希望通りに目が白くなるのでとても良く効くと思われるかもしれません。このような市販の目薬には「血管収縮剤」という成分が入っているのです。塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリンなどがこれにあたります。これらを点眼すると血管を強制的に収縮させるので充血はなくなり目は白くなります。しかし、眼科で処方される点眼薬にはこれらの成分ははいっていないことが通常です。そもそも充血は目の表面で炎症を起こしたときや、疲れ目などで栄養分が足りていない時に起こるのです。結膜炎で充血が起きているときに血管収縮剤を使えば目は白くはなりますが、結膜炎自体が治っているわけではないのです。感染による結膜炎なら抗菌剤などを使わなければ根本的には治りません。血管収縮剤が効いている間は目が白くなって治ったような気になりますが、効果がなくなればたちまち充血がでてきます。そのような事を繰り返して慢性化させてしまうと、今度は処方薬を使ってもなかなか治りにくくなってしまうのです。栄養分が足りなくて充血している場合も同じです。疲れ目やドライアイによる眼表面の栄養不足、コンタクトレンズによる酸素不足などを補うために、血液量を増やそうとして血管拡張が起こっているのに、これを薬で抑えてしまっては目の不調の原因を悪化させることになりかねません。また、血管収縮剤にはもうひとつ落とし穴があるのです。血管収縮剤を続けて使っていると効果が切れた時にかえって充血が増えてしますのです。それもそのはずで血管収縮剤の使用は充血の根本原因の解決からすれば逆効果ですから、その効果が切れた時には体の方はもっと血液を送り込もうとするのです。そうすると点眼の効果が切れたと考え、さらに血管収縮剤を使うようになります。そうしてさらに充血が悪化するとういう悪循環が生まれてしまうのです。疲れ目で充血するのは自然な体の反応ですから、そのような場合は寝る前に目を温めて、じっくり睡眠をとればいずれ治まるのです。もちろん血管収縮剤は薬局で市販されているくらいですからそれほど危険性が高い薬ではありません。人前に出る際に目が充血していては困る場面もあるでしょう。そのような時に一時的に使用するには問題はありませんが、使い続けるのは控えた方が賢明です。効果を十分に理解して賢く使用しましょう。

2017年3月18日

高齢者の事故と目の関係

自覚症状を感じにくい視野の異常

 

ON AIRダイジェスト


視力と視野は目の能力の中で特にも重要なものです。目の病気も視力が悪くなる病気と視野が悪くなる病気に分けられます。視力が悪くなる病気の場合は自覚症状として感じやすいために比較的軽度でも受診される方が多いのですが、視野の方は明らかに悪くなるまで自覚症状を感じにくいために受診が遅れがちになるようです。視野が障害される主な病気は緑内障や網膜の病気があげられます。一般に緑内障も網膜の病気も歳を取れば取るほど増える傾向にあります。緑内障は40歳を過ぎると発症する人が多くなり、40歳で2%、50歳で3%、60歳で6%、70歳で10%と年代が上がる毎にその比率が増えていきます。また、網膜の病気も同様で高齢になればなるほどリスクが高まります。視野に異常が出る病気は緑内障のように治らないものや回復が不完全なものが多く、いったん起きた視野障害は長期に残ってしまうのです。視野の調べ方には様々ありますが、最もよく使われているのがハンフリー視野計とうい視野の計測装置です。網膜に光の点を当ててどれだけの明るさなら感じることができるかを調べる器械です。光がわかる境目の明るさを閾値(いきち)と言います。網膜の光を感じ取る感度とも言えます。一般に病気ではなくとも年齢とともに感度は低下する傾向にあります。つまり高齢者ほど光を感じとれないのです。高齢者の視野にはもう一つ問題があります。高齢者の視野は、検査上、正常の広さがあっても、実用的な視野は悪くなっているということです。検査の時は努力して見ようとするので、中心からはずれた周辺部も見えていますが、日常では周辺部は見えていても脳が認識していないと言われています。若い人は中心の視野の情報と周辺の視野の情報を苦も無く並行処理できるのですが、高齢になると並行処理が滞り、より重要な中心の視野の情報を優先するようになるのです。小学校低学年くらいまでは視野が大人に比べて6割程度しかないことは有名ですが、高齢者の実用視野が狭いことはあまり知られていません。専門家の間では、その視野の狭さが、高齢者の運転する自動車の事故や高齢者が道路を横断する時に事故に遭いやすい原因の一つと考えられているのです。視野が相当狭くなっていても、日常生活で視野の狭さを意識することがないので、結果として人や車に気が付かずに事故を起こしてしまうというわけです。 実用視野が狭いことが事故の原因では事故を防ぐ事は困難かと思います。近年、高齢者の運転による事故が多いことから、運転免許証の自主返還が推奨されているそうですが、北海道においては車がないと生活がままならないという事情もあり、なかなか同意を得るのが難しいようです。視野の異常は気が付きにくいという特徴があり、自分で異常がわかるくらいに悪くなっては手遅れのことが多いので、不安に思う方はお近くの眼科で相談してみて下さい。正常であっても高齢者は実用視野が狭くなっていますので、交通安全に留意しましょう。

2017年3月25日

最終回 番組を放送してきて

一年間ありがとうございました

 

ON AIRダイジェスト


通院している患者さんから「ラジオ聴いてます」あるいは「ラジオを聴いていしかわ眼科を受診しました」という声を頂くと随分と嬉しい気持ちになったものです。番組を聴いて症状が自分に当てはまり、クリニックを訪れて実際に病気が見つかった方もたくさんいらっしゃいます。様々な情報が溢れる中で正しい医療知識を伝えて一人でも救うことができればとの思いで放送を続けてきましたので、そのような方がいたことはとても有意義であったと思います。この番組の原稿を作成するにあたっては相当の苦労があったのですが、思い返せば私自身の知識の再確認になったり、新しい発見があったりと大変勉強になりました。私のクリニックのホームページに放送内容のダイジェストが残っていますので、興味のある方は「いしかわ眼科」のホームページを訪れてみて下さい。ラジオでの話し方も当初に比べるとだいぶ流暢になったと思います。このようなスキルが40歳を過ぎて身につくとは思いもしなかったので不思議な感じもしています。もちろん本職のアナウンサーの技術のすごさが身に染みた一年でもありました。明快に聞き取りやすく話すのはとても難しいものですね。女子アナすごいです。この番組は終了しますが、私は「いしかわ眼科」に居りますので目についてご不安なことがありましたら、どんな小さなことでも構いませんからどうぞ悩みを打ち明けて下さい。何か力になれると思います。次の企画も考えておりますので、またラジオを通してお会いできれば幸いです。

 

番組パートナーのHBC堰八紗也佳アナウンサーより

この一年、身近な目薬やコンタクトレンズの話から、緑内障など深刻でこわい病気の話まで教えていただき、今までよりも目に関心を持つようになりました。いま当たり前のように見えている眼ですが、改めて健康のありがたさ、眼の大切さを考えさせられました。一日の終わりに「今日は目を使いすぎていなかったかな?」とか、「眼が乾いていないかな?」と、眼と会話をするようなイメージで、目薬を点眼する習慣がつきました。それに今は、歩きスマホをしている人を見ると、危ないのはもちろん、目の健康のためによくないなと思うようになりました。そのような、番組で得た知識は、将来子どもが生まれたときにも必ず伝えて活かしていきたいです。あと目薬がこぼれないように目頭を押さえるといいというのは、実践しやすい知識でした。自分の目を気にすることで、隠れ緑内障などにならないように気を付けたいです。これから年齢を重ねるにつれて自然と眼の気になる症状も増えてくると思いますが、そんなときは慌てず、放っておかず、気になることがあれば眼科に行こうと思います。

 

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