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いしかわ眼科

院長コラム【目と健康のおはなし】:いしかわ眼科

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院長コラム【目と健康のおはなし】

バックナンバー 2016年6月のONAIR

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放送日 内容

2016年6月4日

突然「まぶたがピクピク」これって病気?

ストレス性のまぶたの痙攣は若い女性に多い!

 

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突然、目の周りがピクピクして、しばらくすると良くなりますが、しばらくするとまたピクピクするという症状が数日から数週間続くというものです。自分の意志とは別に勝手に筋肉が動いてしまうことを不随意運動といいます。種類は様々あるのですが、この目のまわりの一時的な不随意運動のほとんどは「眼瞼(がんけん)ミオキニア」と呼ばれているものです。この眼瞼ミオキミアはスマホやパソコン、読書、テレビ、ゲーム、勉強などで目を長時間酷使や睡眠不足などの疲れや精神的ストレスが原因でまぶたが痙攣してしまうのです。顔の筋肉を動かしている顔面神経はストレスが強くなると過度に興奮してしまうことがあり、まぶたを含めた顔の筋肉が痙攣してしまうのです。このストレス性のまぶたの痙攣は若い女性に多い傾向にあります。この一時的なまぶたの痙攣は、疲れやストレスのサインだと思って、まずはゆっくり休養をすることが大切です。眼に障害がでるようなことはありませんので安心してください。眼瞼ミオキミアであれば、休養をとれば心配はありません。しかし「眼が開けにくい」「瞬きが思うようにできない」など症状が強くて、数か月以上と長く続くものは眼瞼ミオキニアとは別に「ジストニア」と呼ばれる状態です。特にまぶたのジストニアを眼瞼痙攣(がんけんけいれん)と呼びます。まぶたのピクピクのみならず、まぶしいという症状や伴うことが多いのが特徴です。ドライアイの症状とも似ていますので見逃されていることもあります。眼瞼痙攣はまばたきやまぶたの開閉をコントロールしている脳神経に何らかのトラブルが生じることで目の周りの筋肉が痙攣したり、まばたきが上手くできなくなったり目が開けにくくなる病気なのですが、睡眠薬や抗不安薬を長期服用すると脳の中央にある視床が過度に興奮し、眼瞼痙攣が引き起こされる薬剤性のものが知られている一方で、原因がわからないことも多くあり根本的に治すのは難しいのが現状です。このボツリヌスA毒素は食中毒の原因になる毒素を医療用に薄めたものです。この毒素は筋肉を麻痺させる効果があるので、痙攣する筋肉を麻痺させて痙攣しないようにするのです。この治療は薬の効果が切れたら繰り返し行う必要があります。余談ですがこの毒素は生物兵器として精製法が確立された経緯があるので、所持や精製は厳しく法律で規制されています。現在では推定致死量の数百–数十分の一と濃度を薄めて精製されたものが医療目的、あるいは美容目的でしわ取り、小顔注射に使われています。医療目的よりも美容目的での使用のほうが有名かもしれません。治療は用量設定を誤らない限りにおいては安全です。いずれにしてもきちんと診断をつけてもらい正しい治療を受けるのが良いでしょう。

2016年6月11日

「物が歪んで見える」とき、それは網膜の異常のサイン!①

網膜とはカメラで言えばフィルム・・デジカメ世代はピンと来ない?

 

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眼の構造はよくカメラに例えられます。物が歪んで見える原因のほとんどはカメラでいえばフィルムにあたる網膜に病気があるのです。カメラのフィルムといってもデジタルカメラやスマホでの写真撮影が一般化している最近ではわかりにくい例えかもしれません。網膜は映画館で例えたらスクリーンにあたります、このほうがイメージできたでしょうか。物が歪んで見える症状を眼科では歪視(わいし)といいます。この症状が出るのは網膜、特に網膜の中心を黄斑と呼ぶのですが、この部分に病気があるからなのです。黄斑は網膜の中心にあり見たいと思うところの中心の視野を担っています。映画館のスクリーンであるならば主役の顔が映る場所にあたります。原因は様々あるのですがこの黄斑がむくんだり、しわになったりすると物が歪んで見えるのです。スクリーンがたわむと映像が歪みます。同様に黄斑の形に異常をきたすと物が歪んで見えるわけです。実はこの歪視に気が付かずに過ごしている方がかなりいるようです。両目で見ていると片目の像が歪んでいても見え方としては正常に見えることが多いのです。なぜならば物は目で見ているのではなく脳で見ているからです。脳が右と左の目から入った情報を一つにまとめていく過程で歪みの情報をカットしてしまうんです。原因によりますが物が歪み始めてそれから視力が低下してくるパターンが多いですから、初期症状を見逃してしまいがちという結果になります。それでは、方法をお教えしましょう。実は割と簡単です。片目ずつ塞いで何か格子状のものを見てください。障子格子でもかまいませんが、間隔が狭い方がよりわかりやすいかもしれません。格子状のものが手元になければ雑誌や新聞の細かい文字列でもかまいません。片目ずつで見て左右に差がないかを確認してみてください。文字が歪んで見えたり直線が曲がって見えたりしたら危険なサインです。歪視を自覚するようでしたらお近くの眼科を受診して、網膜を調べる眼底検査を受けて下さい。眼底検査は散瞳(さんどう)剤といって瞳を大きく開く検査用の目薬をして行われます。3~4時間、瞳が開いてまぶしい感じやピントが合わない感じになりますが、正確な診断には欠かせない検査です。瞳の大きさは必ず元にもどりますから安心して下さい。そして、たいていの眼科には網膜の形を痛みもなく、わずか数秒で正確に調べる検査機器があります。光干渉断層計、OCTという検査器械ですが、このOCT検査で微細な網膜の異常を検出することができます。歪みの原因は様々でその後にどのように治療していくかは医師と相談して下さい。網膜の病気は、以前、治せないもの、あるいは治療するにしても長期の入院が必要な場合が多かったのですが、現在では治せる病気も増えて、日帰りで治療できる場合も多くなっていますので、症状があるならば怖がらずに眼科で相談してみて下さい。

2016年6月18日

「物が歪んで見える」とき、それは網膜の異常のサイン!②

高齢化社会で増えている加齢黄斑変性。

 

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日本で問題になっている黄斑の病気と言えば、加齢黄斑変性です。欧米では成人の中途失明、つまり元々は見えていたのに見えなくなってしまう状態ですが、この中途失明の第1位の病気なのです。以前は日本では少ないと考えられていたのですが人口の高齢化により近年、日本でも著しく増加しています。統計では50歳以上の人の約1%にこの病気がみられて、高齢になるほどその比率は高くなります。実は2000年代の前半まで治療法がなく、そのまま失明してしまうことを告げなくてはならない、患者にも医師にもつらい病気でありましたが、近年ではいくつかの治療法が開発されて、視力の維持や改善が得られるようになってきました。この病気はいくつかのタイプがあるのですが、大きく分けると萎縮型と滲出(しんしゅつ)型の2種類があります。網膜のさらに後ろには網膜色素上皮細胞という網膜の代謝にかかわる細胞がシート状に並んでいます。簡単にいうと網膜の土台部分といえるのですが、この部分が徐々に萎縮していき細胞が少なくなってしまい網膜が障害されてしまう病気が萎縮型の加齢黄斑変性です。このタイプは現在でも治療法がありませんが、近年、iPS細胞により網膜色素上皮細胞をつくりだし移植する試みがなされていますので、治療法として確立されれば将来的には治療できるようになるかもしれません。日本で多くみられるのはもう一つ滲出型の方です。こちらは異常な血管が網膜色素上皮細胞の下あるいは網膜と網膜色素上皮細胞の間に入り込んで網膜が障害される病気です。異常な血管は正常な血管と違って血液の成分が血管から漏れやすく、また血管自体が破れやすいために漏れ出た血液成分により網膜が腫れたりして正常に働かなくなってしまうのです。網膜の端の方でこの変化が起こるならば視力は下がりませんが、網膜の中心に近いところで起こるのがこの病気の厄介なところです。網膜の中心部である黄斑が浮腫むと物が歪んでしまったり、視力そのものが著しく低下していまいます。治療は直接、眼の中に注射をする薬物療法と特殊なレーザー治療があります。薬物治療のほうが新しく効果が高いのですが、一度で治るのは稀で繰り返し注射をする必要があります。眼に注射をするというと怖い感じもしますが、注射自体は日帰りで可能で安全性も高いのです。しかし、高価な薬ですので保険が効いても治療費が高く、治療を中断してしまう方が多いことが問題になっています。レーザー治療の方は特殊な専用機器が必要ですので大学病院のような大きい病院でしか治療を受けることはできません。このような治りにくい病気は予防が大切だと思います。具体的には禁煙、緑黄色野菜と魚中心の食事、ビタミンC、E、βカロチン、亜鉛などを含んだサプリメント内服などが効果があるとされています。これらの治療、予防について詳しくはお近くの眼科で相談してみて下さい。

2016年6月25日

リスナーさんから質問「ブルーベリーが目にいいって本当?」

ブルーベリーが眼に良いという逸話の元は・・意外な真相!

 

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そもそも、ブルーベリーが眼に良いという逸話の元は第二次世界大戦中にブルーベリージャムをたっぷり塗ったトーストを食べていたイギリス空軍のパイロットが薄明りの中でも物がはっきり見えたという事がきっかけと言われています。ですが、よくよく調べるとこの話自体の真偽が微妙なのです。当時、イギリス空軍とドイツ空軍との戦いで、イギリス空軍が優位である要因は「パイロットの暗視能力の高さである」とイギリス情報部が喧伝していたのですが、実は新型レーダーを搭載しているのをドイツ軍から隠すためのもっともらしいつくり話だったようです。しかも、そもそもこの話はブルーベリーでもなく「ニンジン」なんです。どうしてニンジンからブルーベリーに入れ替わって現在まで伝わっているかというと、ニンジンやブルーベリーに含まれるアントシアニンという成分に秘密があるのです。アントシアニンは赤・青・紫などの色のついた植物に含まれている色素で、特に珍しい物質ではありません。アントシアニンは網膜にあるロドプシンの再合成を助ける効果があります。ロドプシンには網膜の視細胞というところで、届いた光の刺激を神経に伝わる電気信号に変換するという大事な働きがあります。ロドプシンは光を受け取ると一旦、分解されてしまうのですが、再合成されて再度、光を受け取れるようになるという性質があって、アントシアニンはこれを助ける作用があるのです。私は以前、実験用ラットに植物由来のアントシアニンを投与して眼の働きがどのように変わるかの研究をしていたことがあるのですが、確かに投与をすると光に対する網膜の反応は良くなりました。ですので、イギリス情報部のつくり話も理論的には、まんざら嘘ではないようです。ただ、私がかかわった実験で確認された効果はラットに対してです。その実験での投与量を人間の体重に換算して、それをブルーベリーだけから摂取しようとすると、とても一日では食べきれない量になってしまいます。つまり、ブルーベリーなどの食物そのものから有効量をとるのは実際には難しいと思われます。アントシアニンについて論文を検索してみますと、植物由来のアントシアニンを抽出して有効量に濃縮して長期間服用して効果があるかを試した臨床研究もいくつかあります。中には血流改善効果がみられて、緑内障の進行を抑えたり、瞼の下のクマをとる効果があるという肯定的なデータも出ていますが、効果がはっきりしないとの否定的なデータもみられます。つまり、理論的には効果がありそうだけども、はっきりしないというのが結論かと思います。過度な期待はせずにバランスのよい食事や適切な治療をした上で、食事や治療の補助として摂取されるのが良いでしょう。それどころか、それだけを摂れば良いという考えはかえって健康を損ねてしまう危険性もあります。ブルーベリーに限らずにサプリメントのようなものを摂取するには、このような考えは共通かと考えます。

 

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