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いしかわ眼科

院長コラム【目と健康のおはなし】:いしかわ眼科

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院長コラム【目と健康のおはなし】

バックナンバー 2016年8月のONAIR

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放送日 内容

2016年8月6日

なぜ、色がわかるの?色覚のお話

色覚の異常は想像しにくい。

 

ON AIRダイジェスト


正常者にとっては、色の差がはっきりしている2つの色でも、色の違いが小さく感じられて、判別困難な方がいます。「色覚異常」という状態です。そもそも色を感じる仕組みというのは、網膜の中の錐体細胞の働きによります。太陽の光をプリズムに通すと虹のような色の帯ができることをご存じの方は多いでしょう。光を波長によって分けると、このように光の帯ができるのです。この特定の波長が人の網膜に刺激を与えると「色」として感じます。波長は長い方から赤・オレンジ・黄色・緑・青・藍色・紫の順に並んでいます。虹の七色ですね。この領域の波長を人は捉えることができるので、赤から紫までの光を「可視光線」と呼ぶのです。赤よりも長い波長の光は「赤外線」、紫よりも短い波長の光は「紫外線」です。これらは人間には見えません。網膜の錐体細胞には、光の波長によって反応のしやすさが異なる3種類の細胞があります。ひとつは「赤錐体」、2つ目は「緑錐体」、3つ目は「青錐体」です。3種類それぞれの錐体が感じる割合によって、人は色を見分けています。ところが、3種類の錐体のうちどれかが欠けていたり、働きが十分でないと色の見え方に異常が出るのです。先天性、生まれつきの場合もありますし、生まれてから障害されることもありえます。先天性の場合は、「男の子が圧倒的に多い」という特徴があって、男性の約4%に、何らかの色覚異常が見られると言われています。色覚異常の人がどのように見えているかは、正常な人からは想像がつきにくいと思います。どの色覚異常の方でも、色の区別が正常の人と比べると少し苦手だとは言えます。見分けにくい色の組み合わせとしては「赤と緑」「青と紫」「オレンジと黄緑」「ピンクと灰色」などが挙げられます。具体的な症状としては「信号の色の判別がつきにくい」、「色分けしている地下鉄やバスの路線図の区別がつきにくい」、「焼き肉の焼け具合がわかりにくい」などの症状があります。いつも同じように見分けがつかないわけではなく、形や明るさ、色の面積などによって、色の判別具合が変わります。見分けにくい状況としては、暗い時や対象が小さいとき、色の彩度が低い時などです。以前は色覚異常に対して「モノクロの世界で生活している」とか「運転免許がとれない」などの誤解がありましたが、色覚異常の方は正常とは異なるものの日常生活を不自由なく過すことができると認知されています。モノクロの世界で生きているわけではありませんし、運転免許も取得できます。以前より誤解は少なくはなりました。現在でも一部の職業では色覚異常による制限があることを知っておかなければなりません。電車や飛行機の運転士、警察官など一部の職業では、色覚異常による制限があります。職務を遂行する上で、色を細やかに見分ける必要がある職業は制限を設けざるを得ないからです。色覚異常の方が職業を選択する場合は、希望する職種に制限がないかを、あらかじめ調べておく必要があるでしょう。以前は小学生の色覚検査が行われていましたが、最近は健康診断の必須項目から削除されてしまいました。色覚異常があっても大きな不自由がなく生活できていたわけですから、中には自覚がないままの方がいらっしゃいます。不安があるならば、眼科で簡単に調べることができますから、受診して検査を受けてみるのがいいでしょう。先天性の場合には治療法はありませんが、本人と周囲の理解によって多くの問題は解決できると思います。例えば、学校生活では、黒板に赤いチョークで書くと見分けがつきにくいですから、黄色のチョークに変えてもらったり、色の鮮やかな、色覚異常でも見分けがつきやすいチョークなどを使ってもらうように先生に申し出てみましょう。

2016年8月13日

血圧コントロールが大切!高血圧と目

他にも様々な悪い影響が。

 

ON AIRダイジェスト


高血圧から眼に障害が出ることがあるのは、ご存知でしょうか?眼の奥、眼底にある網膜は、人の体の中で直接血管を見ることができる唯一の場所なのです。網膜の血管は非常に細く、高血圧や糖尿病など、血管を障害する病気の影響を受けやすい特徴があります。逆に網膜の細かい血管を直接観察することにより、糖尿病や高血圧があることがわかる場合もあり、特に高血圧による高血圧網膜症は、重症の高血圧でみられるため、高血圧の治療が、すぐにでも必要であることを教えてくれるのです。血液は一定の血圧により全身を巡ります。それを調整しているのは心臓から送り出される血液の量と、その血液が血管を流れる時の抵抗力の2つです。心臓が強く働いて多量の血液が送り出されるか、血管が細くなって抵抗が増えると血圧は高くなります。眼底検査で網膜の血管の太さをみることは、高血圧の原因を調べる際の大きな手がかりになるというわけです。網膜などにある細動脈は、血圧の維持や調節に大きな役割を果たしています。これらの血管には自律神経や腎臓から出るホルモンなどの働きで細くなったり、広がったりする機能があるからです。何らかの理由で血管が細くなりっぱなしになると、血管自体が細いままで固まってしまい広がらなくなる状態になります。これが「動脈硬化」という状態です。動脈硬化になると悪い影響がいろいろあり、この血管が細くなった状態が極限状態になってしまうのが高血圧網膜症です。細胞の栄養を運ぶための毛細血管に十分な血液が行き渡らなくなり、栄養不足に陥ると、網膜の働きが悪くなり、視力が低下します。また、血管自体が脆く破れやすくなっているため、大きな出血をおこしたりします。循環が悪くなりますので、むくみもおこってきます。重要なのは、この変化が目だけにおきているのではないということなのです。人間の毛細血管は4種類あるのですが、脳と網膜の血管はそもそも特別な構造をしていて、特に丈夫につくられているのです。その丈夫な血管が障害されているのですから、それよりも脆い全身の毛細血管がより強く障害されているのは当然といえます。つまり、放置すれば命が危ない状況ともいえるのです。血圧の治療は、内科の先生にお任せすることになりますが、以前よりも高血圧の治療薬は進歩しており、克服できることも多いですので適正な治療を受けることをお勧めします。血圧が適正にコントロールされれば、高血圧網膜症は治っていくことも多いですし、何よりも早期発見することで、重篤な状態になる前に治療を開始できるならば、大きな障害をかかえることなく過ごせるはずです。高血圧の不安がある方は、眼底検査を積極的に受けて下さい。もし治療が遅れてしまい、網膜に広い範囲で障害が広がってしまった場合でもレーザー治療によって悪い部分の網膜を焼くことで、最悪の結果である失明を防ぐことができることが多いですから、手遅れとあきらめずに、お近くの眼科で相談してみて下さい。高血圧の治療を適切に受ける事、何も症状がないからといってお薬を中断しないこと、時々、眼底検査を受ける事などが、とても重要だと思います。

2016年8月20日

悲しいわけでもないのに涙がボロボロ出る理由

いろいろな原因が絡みあう流涙症。

 

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「涙がボロボロ出て困る」と言って眼科を訪れる方がおられます。別に悲しいわけでも、感動して泣いているわけでもないのですが、目が過剰な涙で常に潤んでいたり涙が流れ出て止まらない状態を「流涙症(りゅうるいしょう)」といいます。流涙症の原因は主に2種類あります。一つは角膜に刺激が加わることにより涙が過剰に分泌されている場合。もう一つは本来、眼の表面から鼻の奥に流れ出るまでの涙道「るいどう」という涙の通り道が狭くなったり塞がってしまう場合です。涙が眼の表面に過剰にあると物がにじんで見えて視力が低下したり、目の外側に涙が出続けると眼の周りの皮膚がかぶれやすくなったりすることがあります。角膜が刺激されて涙が出る原因で代表的なのは「逆さまつげ」でしょう。まつ毛は、正常ならば外側に向かって生えるものなのですが、角膜に向かって生えてしまうのが「逆さまつ毛」と呼ばれる状態です。眼科に通院して定期的にまつ毛を抜いてもらうか、あるいは毛根を破壊したり取り除いたりして生えてこなくする治療法があります。まつ毛の生えている方向は正常でも瞼自体が内側を向いてしまい、まつ毛が角膜にあたってしまう場合もあります。これを「眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)」といいます。小さい子供の場合は、成長に伴って顔かたちが変わり、自然に治ることがあります。肥満などで頬肉に押されて瞼が内側を向いている場合には、痩せることで解決することもあります。解消しない場合には瞼を外側に向ける手術があります。手術の方法は様々あり、症状の程度によって適切な方法を選ぶ事が大切です。お困りでしたら眼科医に相談してみて下さい。その他にドライアイも流涙の原因になりえます。目が乾いているのに涙目になるとは不思議に思われかもしれません。角膜の表面が乾いてしまうと脳から涙を分泌するように信号が出ます。ドライアイは角膜が乾きやすい病気ですから、例えばドライアイの方が外で風にあたると、乾燥を強く感じて涙が過剰に分泌されるのです。このような場合には涙目ですが、ドライアイの治療をすると症状が軽くなるのです。また、結膜弛緩症という状態も原因の一つに挙げられます。これは白目を覆っている結膜が年齢の変化などで緩み重力で垂れ下がる状態をいいます。緩んで余った結膜が瞬きの度に過剰に動くので、ゴロゴロしたり、しょぼしょぼしたりしますし、本来あるはずの、何より下瞼と眼球の間の涙のプールに入り込んでしまうため、涙が外に出てしまう原因になるのです。あまりに余った結膜が多い場合には、切除したり焼き縮めることで症状を緩和することが可能です。涙道が狭くなったり、閉そくしている場合は、なんらかの手術が必要になる場合が多いと思います。ブジーといって針金で詰まっているところを開けたり、その後、シリコン製のチューブを留置して、涙道を広げた状態に保ち改善する方法があります。程度の軽い状態であれば、ブジーなどはせずに定期的に涙道洗浄といって涙道を生理食塩水で洗い流して、詰まりを解消できる場合もあります。逆に閉そくが強くてこれらの手術や処置で改善できない場合には、「涙嚢鼻腔吻合術(るいのう びくう ふんごうじゅつ)」という骨を削って新しく涙が目から鼻の奥に流れる道をつくる手術があります。程度が強く、苦痛が強い場合には、ここまでしないと治せないのです。流涙症は、原因が複合的に絡み合っている場合も多く、ひとつ治療をしても大きな改善が得られないことがあります。その場合はまた、別な治療を重ねて行う必要があるのですが、その時点で手術をしたけど良くならないと眼科を渡り歩く方も珍しくありません。よく話を聞いてじっくりと腰を据えて治療する必要があると思います。

2016年8月27日

データから見る、視力と認知症の関係

もう少し早ければ、、、と後悔しないために。

 

ON AIRダイジェスト


高齢になっても視力が良い人は、認知症にかかる確率が低下するというデータがあります。逆に視力が回復すると、認知症が改善するというデータもあるのです。特にアルツハイマー病にかかる確率は、視力を悪いままにしておくと大幅に増えるといという報告があります。「目が悪ければ認知症になりやすい」ということを、知っておかなければなりません。詳しいメカニズムははっきりとわかっていないのですが、視力低下は様々な活動の障害になるからだと推察されます。そもそも外界からの情報の9割は視覚からと言われています。目が見えなければ歩くことにも危険が伴いますし、知らない場所にいくことも難しくなるので、自由に外出することもままなりません。新聞や雑誌を読んだり、手紙を書いたりも難しくなります。生活全般に意欲が低下してしまうと脳が活性化する機会が少なくなり、認知症が発症したり悪化したりする可能性が高くなるのも道理です。高齢者の視力低下には様々な原因があります。以前お話しした白内障や緑内障が代表的な疾患かと思います。治せない病気があるのも確かですが、以前よりも悪化を防げるようになった病気も随分と多いです。何より白内障などは、手術で治すことができるのですから、積極的に治療を受けることをお勧めします。確かに「手術は怖い」というイメージがあると思います。ですが、手術する時期を逃すと手術自体が困難になるのも、また事実で、実際に手術を予定したものの、認知症が悪化して治療を断念せざるを得ない方もたくさん経験してきました。もう少し早く相談してくれれば良かったのにと、悔しい気持ちになります。また、手術を先延ばしにしたい気持ちも十分に理解できます。しかし、適切な時期を逃すと、このような事態になることもあるのです。白内障手術によって、高齢者の視覚に関係のある日常動作が改善すると認知症や「抑うつ状態」も改善するという報告が出ています。視力が回復することで自立できることが多くなれば、介護の負担も減ります。例えば、食事やトイレです。高齢の女性が手術を受けて、手術後に定期診察に来た時、お化粧やファッションを楽しみ、生き生きとしている様子を見ると治療を勧めて本当に良かったと思います。認知症を患っている場合には視力障害を自ら訴えない場合もありますから、時々、眼科を受診して白内障などが進行していないかをお調べになられた方が良いと思います。また、認知症以外の体調の悪化でも手術をあきらめざるを得ない場合もありますので、高齢者の方は体調が悪くなる前に、白内障の治療を積極的に受けた方がよいと思います。日帰り手術などで治せる場合も多いですので、お近くの眼科で相談してみて下さい。

 

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