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いしかわ眼科

院長コラム【目と健康のおはなし】:いしかわ眼科

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院長コラム【目と健康のおはなし】

バックナンバー 2016年11月のONAIR

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放送日 内容

2016年11月5日

眼でも若返る!?目のアンチエイジング

眼を若がえらせる最新技術

 

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眼のアンチエイジングの手術といえば、眼瞼下垂の手術のようなものを想像するんじゃないでしょうか。眼瞼下垂では片眼瞼が上がると見た目が5歳若くなり、両眼手術すると10歳若返ると言われています。眼瞼下垂の原因には先天性と後天性があり、先天性は生まれつき上眼瞼挙筋という瞼を上に挙げる筋肉が弱い場合がほとんどです。後天性の場合のほとんどは老人性です。年齢の変化でおこる眼瞼下垂は筋力低下、瞼の皮膚が余って重力で垂れ下がっている場合が多いようです。後天性で次に多いのは腱膜性、筋肉の付け根に問題が生じる場合です。これは瞼をこする行為、つまり、化粧を落とす、アレルギーで目を掻く、ハードコンタクトレンズを長期間使用などにより、筋肉の付け根が伸びてしまい、瞼を上げる力が弱くなることで眼瞼下垂になるのです。それ以外に、重症筋無力症のような難病による眼瞼下垂もあります。先天性の場合や難病によるものの治療は難しいですが、腱膜性や老人性のものは手術で治すことができるのです。瞼を挙げる筋肉に関連している神経は副交感神経(動眼神経)と交感神経です。瞼を無理に上げようとすると交感神経や副交感神経(動眼神経)への強い刺激があり自律神経失調症のような状態になります。これによって肩凝り、頭痛などが生じます。眼の不調とともにおこる吐き気などの胃腸症状も自律神経失調症によるものです。眼瞼下垂の手術をすると楽に瞼を上げることが出来るようになるため、自律神経のアンバランスがなくなり調子が良くなるのです。瞼には血管が多数存在しますからメスで切開するとかなりの皮下出血が生じて、それが良くなるまで2週間ほどかかることもありましたが、最近では炭酸ガスレーザーによる手術が出てきており、以前に比べて回復が早くなっているようです。炭酸ガスレーザーは止血しながら切りますので、皮下出血が少なくて痛みも少ない特徴があるのです。眼瞼下垂でお困りの方はお近くの眼科で詳しく話しを聞いてみて下さい。同じく瞼に手を加えて若返りといえばボツリヌス毒素、ボトックスによるしわ取りの注射があります。以前にもお話ししたのですが眼科でボツリヌス毒素を使用するのは眼瞼けいれんという、瞼がピクピクと痙攣して止まらない病気に対してです。整容目的での使用は美容形成外科などでの自由診療となり、健康保険は使えません。最も眼科に関連したアンチエイジングの手術は白内障手術です。白内障手術で視力が改善すると、活動性が上がりますので、運動不足による生活習慣病の改善のきっかけになり、体全体が健康になります。また、物が良く見えるようになるとともに、色もきれいに見えるようになりますので、着るものから考え方まで若返る傾向にあります。旅行に行ったり、お芝居をみたりする楽しみを、より味わえるようになりますし、このように外的な刺激が増えれば、うつ病になったり認知症が悪化したりという可能性も減ると言われています。手術自体、いまや多くの施設で日帰り手術を受けることができます。最近は人工の水晶体も質の良いものが健康保険の範囲内で使うことができますので、見え方に不安が出てきた方はお近くの眼科で相談してみて下さい。

2016年11月12日

白内障における着色眼内レンズ

眼に内蔵するサングラス?

 

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白内障の手術後、すごく明るくなるとともに青っぽくみえたり赤っぽく見えたりします。この症状を色視症といいます。色視症がおこる理由は水晶体が紫外線や短波長可視光線である紫や青の光をカットしていたのに、手術により水晶体がなくなったため青色などの短波長可視光線が眼の中にたくさん入るからです。赤く見えるのは青の補色である赤が見えることによります。このような見え方は多くの場合、時間がたつと、あまり気にならなくなります。色の判別は脳で行われており、時間が経って新しい見え方の環境に脳の処理が慣れてくるのです。これは順応とよばれるメカニズムです。例えば、赤いサングラスをかけて雪を見ると最初赤く見えますが、そのうちに白く見えるようになりますね。これも同じで雪は白いと言う脳の判断があれば赤く見える雪でもだんだんと白く見えてくるのです。白内障の術後も生まれたときの水晶体と同じように、青色の光がたくさん眼の中に届くようになるのですが、最終的には脳で色の補正が行われるようになる為に正常な見え方に戻るのです。この色視症ついて印象派の画家モネの逸話があります。モネは白内障の進行とともに見る景色が徐々に暗くなっていきました。しかし、ついに見えなくなってきて、白内障手術を受けたのです。当時は眼内レンズを移植するような高度な医療技術はなく、黒目の横から針をさして濁った水晶体を眼の中に落とす手術しかありませんでしたが、手術は成功してモネの視力はある程度回復しました。しかし、手術後にあまりにも色が違って見えるため、モネは混乱してしまいました。画家のような色の違いに敏感な職業であると、色視症を強く感じていたのかもしれません。モネは色視症が何とかならないかと眼鏡屋さんに相談したのです。眼鏡屋さんがモネに黄色いサングラスをかけさせたところ、モネは昔見た色と同じだと感激し、また。絵を書けるようになったという話です。実はこれが医療用サングラスの始まりと言われています。以前は白内障の手術直後にモネと同じように黄色のサングラスをかけると眩しくないし、色の見え方が普通になると言って重宝されていました。現在では白内障手術で濁ったレンズを取り去った後に移植する眼内レンズ自体が着色されています。これを「着色眼内レンズ」というのです。以前の眼内レンズに比較して、着色レンズを移植した方が自然な見え方で、微妙な色合いを見分けるコントラスト感度という目の機能が上昇しています。このコントラスト感度は見え方の質に大きく影響する能力なのです。以前の透明な眼内レンズでの手術後視力は上がるのですが、なんとなく全体に霞んでみえるという方が一定数いました。ここでいう視力とは単純に説明すると物の形を見分ける能力なのですが、いくら形は判別できても全体に霞んでいるならば質の悪い見え方ということになり、満足できないということになります。着色レンズが出る前に白内障の手術を受けて、視力は出ているのに見え方がおかしいという方の原因のほとんどはこれが原因と思われますので、私のクリニックではそのような方にはモネが使ったような着色眼鏡の装用をすすめています。現在ではコントラスト感度を考慮した眼内レンズを白内障手術で使うことが主流となっていますので、このような患者さんは減っているように感じます。また、最近では「眼はカメラである」とともに「時計である」という考え方も一般的になりつつあります。人体は時間帯によって様々な機能を自己調節しているのです。この変動をサーカデイアンリズムとよびます。実は青い光、ブルーライトが眼に入る場合と、入らない場合で睡眠の質が違うことがわかってきています。眼に入るブルーライトの量でサーカディアンリズムが調整されているのがその理由です。白内障になるとブルーライトが眼に入りにくくなるため睡眠の質が落ちてしまうのです。白内障手術でブルーライトが眼内に入るようになると睡眠の質がよくなるようです。しかし、ブルーライトが多すぎてもいけないので着色眼内レンズで適量のブルーライトが眼に入ることがサーカデイアンリズムには良いようです。

2016年11月19日

まぶしさを感じる様々な原因

こんなに多いまぶしさの原因

 

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ものがとても眩しく感じるという症状で眼科を受診される方がいます。じつは物がまぶしく見える原因は様々あるのです。そもそも、人が「まぶしい」と感じるのはどうしてでしょうか。過度な光が瞳孔を通して眼の中に入ると瞳孔を縮めるために瞳孔括約筋という筋肉が働きます。この瞳孔括約筋が急激に働いた時に、私たちはまぶしいと感じるのです。過度な光が眼に入ってきて瞳孔を縮める働きは自律神経、つまり自動調整により行われます。例えば、太陽の光やスポットライトなどの光源を直接みると、通常の光よりも光量が非常に多いため、急激に瞳孔括約筋が収縮して、はげしくまぶしさを感じるのです。光量のギャップでまぶしく感じる場合もあります。映画館などから外に出た時にはげしくまぶしさを感じるのがこれにあたります。暗いところから急に明るいところに出ると、その反動でより強く瞳孔括約筋の収縮が起こるので、普段以上にまぶしさを感じるのです。最近の映画館ではそのあたりの配慮がなされていて段階的に明るさを変えてまぶしさを感じないようにしているようです。また、出産直後の赤ちゃんも急にまぶしい環境にさらされるので激しく泣いてしまいますが、間接照明の少し薄暗い部屋であればおとなしくなるという話もあります。まぶしさを感じやすい時間帯もあります。朝の時間帯は自律神経の一日のリズムの関係で、瞳孔括約筋は休んでいるので、朝は光をみると瞳孔括約筋が反動で強く働いてしまい、よりまぶしく感じてしまうのです。光量が増える昼間よりも朝にまぶしさを感じるのはこのためなのです。ほかにも原因があります。例えばお酒を飲んだ時、飲酒をすると瞳孔括約筋が休んで瞳孔が大きくなります。二日酔いの朝に特にまぶしさを感じるのはこのためです。余談ですが、お酒を飲んだ時に異性が魅力的に見えるのは判断力が鈍るとともに、瞳が大きくなるからだと言われています。人は興味があるものをみると自然に瞳が大きくなることが知られていますが、本能的に瞳の大きくなった相手を見ると好意を感じてしまうようです。パソコンやスマホなどで眼が疲れた時もまぶしく感じます。長時間近くを見続けると瞳孔括約筋の働きが弱って瞳が大きくなるのです。眼が疲れた時に明るい場所に出るととてもまぶしく感じるのはこのためです。受験勉強などで普段よりもたくさん勉強しはじめると、勉強の後にまぶしいと感じることが多いようで、心配して受診される方がいますが、正常な反応ですので心配ありません。このような場合は適度な休憩で症状を軽くできます。もちろん病気が原因でまぶしさを強く感じることがあります。眼球が傷ついていたり、白内障などで光の通り方が不均一になった時には、目の中に入ってきた光が散乱してしますのです。網膜の中心の方ではなく、網膜の周りの方は元々、暗いところで使う網膜なのでここに普段は感じることがない明るい光が届いてしまうと瞳孔括約筋が過剰に働いてまぶしさの原因となるのです。白内障の主要な症状にまぶしさがあるのはこのためです。同様にコンタクトレンズが汚れていたりしてもまぶしく感じてしまいます。また、眼の内圧、眼圧が異常に上昇したり、眼に炎症を生じると瞳孔括約筋の機能が低下して瞳が大きくなるので、強いまぶしさを感じます。普段の状態でまぶしさを感じる場合は眼病の可能性がありますので、一度、眼科で検査することをおすすめします。

2016年11月26日

失明原因から考えるその対策

他人事とは思えない失明の現実

 

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現在の日本での失明率の第3位は加齢性黄斑変性症です。この疾患は10年ほど前に、ベスト10入りして、その後、順位をあげ、10年後にはアメリカと同じ様に第1位になると予測されていました。ところが実際には3位で留まっています。これは啓蒙活動により高齢者の眼科的な検査が促進されたこと、検査機器の発達により的確な診断ができるようなったこと、大規模な疫学調査で有効なサプリメントや食生活が報告されたこととともに、10年前は有効な治療法がなかった状態から抗血管新生薬という新たな治療薬が一般化して、ある程度の治療効果が期待できるようになったことがあげられます。高齢化により病気になる方の数は増えていても、予想より失明率が上昇しなかった理由と思われます。また、一般化はしていませんがiPS細胞を用いた治療が始まり、研究が進めば今後は失明率がさらに下がる傾向あると予測されます。第2位は糖尿病網膜症です。日本では欧米型の食事が一般化して成人病としての糖尿病が増加しました。糖尿病予備軍まで含めると2000万人の方が潜在的に失明の危機に瀕する可能性があるのです。糖尿病網膜症はある程度まで進行してしまうと、治らないのです。糖尿病網膜症は一時、日本の失明原因のトップになりました。しかし、眼科での適切な診断とレーザー治療や網膜手術の進歩でいまや重症の糖尿病網膜症でも視力を維持できるようになりました。手遅れにならない時点から眼科に通院し、適切な時期にレーザー治療や網膜手術が行なわれれば失明には至らないのです。ただ、糖尿病があっても目に不調を感じない限り、眼科を受診しない場合がまだまだ多いのが現状です。糖尿病網膜症は知らずに進行して視力が下がるなどの症状が出てからでは手遅れのことが多いのです。例え血糖のコントロールがよくても、糖尿病である期間が長ければ網膜症は発症してしまします。統計では20年糖尿病であった場合は70%に糖尿病網膜症がみられるのです。この点が改善されれば、糖尿病網膜症による失明率はさらに減少するでしょう。失明原因第1位は緑内障です。 緑内障は2011年までは、失明原因の2位でした。それが1位になった原因は、緑内障も自覚症状が初期には全くなく自分では気づかないことにあります。緑内障の発見のきっかけの多くは健康診断で行われる眼底写真によるものでした。ところが、メタボ検診という検診が主体になり、健診での眼底写真は必須ではなくなってしまったのです。医師が必要と認めた場合となったため、眼底写真の撮影はそれまでの1/100にまで減少したといわれています。このため緑内障の早期発見が困難になっているのです。統計では緑内障は40歳以上で20人に一人いるとされますが、実際に診断を受けているのはそのうち1割ともいわれていて、ほとんどの方が知らずに病気を抱えているのが現状です。緑内障は新しい薬が最近の10年で次々登場しましたし、薬の反応が悪い場合に眼圧を低下させる手術方法も工夫され続けています。また、検査機器の発達により眼科に受診すれば緑内障の診断は正確にできるようになっています。しかし、治療法が発達しても、患者自身が早期に診断を受けなくてはどうにもできないのです。早期に緑内障をみつけて適切に治療をすれば失明に至る可能性はとても減るのです。眼底写真による検診の充実はもちろんですが、40歳になったら、たった1日、眼科を受診するということが将来の自分を救うことになるかもしれません。緑内障で失明に至る方が減少することを切に願います。

 

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