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院長コラム【目と健康のおはなし】:いしかわ眼科

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院長コラム【目と健康のおはなし】

バックナンバー 2017年2月のONAIR

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放送日 内容

2017年2月4日

閃輝暗点(せんきあんてん)とは

高齢の方は要注意!

 

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閃き、輝き、暗い、点、と書いて、「閃輝暗点(せんきあんてん)」です。視界に突然、ギラギラ、ギザギザした光が現れてその部分が見えなくなるという症状があります。この症状を閃輝暗点といいます。初めてこの症状を経験された方は突然見え方がおかしくなったと感じ、驚いて眼科を訪れます。しかし、通常15~30分、長くて1時間位で症状はおさまるので眼科を受診するころにはこの症状はなくなっています。片頭痛のある人の「頭痛の前兆」として閃輝暗点がみられることが多く、典型的には、その後に頭痛が出ますが、頭痛を伴わない方もいるようです。症状自体は、脳の見る機能に関係した部分の血管が一時的にけいれんをおこして、血流が悪くなっておこるとされていて、目の異常もみられません。つまり、閃輝暗点は目の異常ではなく脳の症状なのです。芥川龍之介の「歯車」という作品の中に、この症状の描写が出てくることが有名です。芥川龍之介は、閃輝暗点を半透明な歯車が徐々に増えていって視野を塞ぐと、表現しています。また、その後に頭痛があることも書いています。文豪にもこのような悩みがあったのですね。脳の見る機能に関係した部分の血流が一時的に悪くなるメカニズムですが、ストレスなどによる緊張によって血管が収縮してしまうのがはじまりです。また、気圧の変化でこの変化が起こることもあるようで季節の変わり目などに症状が出るという方もいます。血管が縮んで脳の一部分、特に物を見るために使う部分の血流量が低下して酸素不足になると、一時的な機能異常が生じて、ギラギラした光が現れてその部分が見えなくなるという症状がでるのです。その後におこってくる頭痛は、収縮した血管が拡張するために起こります。ですから閃輝暗点の症状が治まってから30分から1時間で頭痛になります。閃輝暗点の後に頭痛がくるのがわかっている場合はあらかじめ内服薬などの処方を受けていればそれを服用して下さい。手元にお薬がない場合は冷やすことで血管の急激な拡張を抑えられて痛みが和らぎます。また、コーヒーなどでカフェインを摂取することで痛みが和らぐことも知られています。カフェインには、脳血管収縮作用があるので閃輝暗点後の頭痛には効果があるのです。ですが他の頭痛、例えば緊張性頭痛などは逆に血管収縮で起こる頭痛なのでカフェイン摂取が逆効果になる場合もありますので注意が必要です。きちんと診断を受けた上で対処をして下さい。頭痛がない方が良いと思いがちですが、頭痛を伴わない閃輝暗点を繰り返す場合は要注意です。閃輝暗点と頭痛が脳血管の収縮とその後の拡張によってセットで起こる症状であることは説明しました。頭痛が起こらないということは血管の拡張が強く起こっていないということであり、動脈硬化や脳梗塞様の症状であることがあるのです。高齢者の場合は特に注意です。そのような場合は脳外科などで断層写真を撮影して脳に病変がないかチェックした方が良いでしょう。また、光がちらついて見える症状が必ずしも閃輝暗点とも限らないので、初めて症状が出た場合は眼科で網膜などの検査を一度は受けた方が良いでしょう。

2017年2月11日

治療法が大きく進歩

実用化が待たれる「ips細胞」

 

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「ips細胞」についてです。実用化されるのは、まだ先だと思いますが、様々な研究成果が報告されています。現在、日本で問題になっている網膜の病気といえば加齢黄斑変性です。前にもお話ししたのですが、欧米では成人の中途失明第1位の病気です。以前は日本では少ないと考えられていたのですが人口の高齢化により近年、日本でも著しく増加しています。統計では50歳以上の人の約1%にこの病気がみられて、高齢になるほどその比率は高くなります。2000年代の前半まで治療法がなく、そのまま失明してしまうことを告げなくてはならない、患者にも医師にもつらい病気でありましたが、近年ではいくつかの治療法が開発されて、視力の維持や改善が得られるようになってきています。この加齢黄斑変性は網膜のさらに後ろの脈絡膜に異常な血管のかたまりができてしまい、網膜の土台部分の網膜色素上皮細胞の下あるいは網膜と網膜色素上皮細胞の間に入り込んで網膜が障害される病気です。異常な血管は正常な血管と違って血液の成分が血管から漏れやすく、また血管自体が破れやすいために漏れ出た血液成分により網膜が腫れたりして正常に働かなくなってしまうのです。網膜の端の方でこの変化が起こるならば視力は下がりませんが、網膜の中心に近いところで起こるのが、この病気の厄介なところです。網膜の中心部である黄斑が浮腫むと物が歪んでしまったり、視力そのものが著しく低下していまいます。治療は直接、眼の中に注射をする抗血管新生薬療法とPDTという特殊なレーザー治療があります。薬物治療のほうが新しく効果が高いのですが、一度で治るのは稀で繰り返し注射をする必要があります。眼に注射をするというと怖い感じもしますが、注射自体は日帰りで可能で安全性も高いのです。レーザー治療の方は特殊な専用機器が必要ですので、大学病院のような大きい病院でしか治療を受けることはできません。これらの治療を受けても、かなり進行してしまっていた場合は視力改善、維持が困難です。また、治療により病気自体の勢いは収まっても、その間に網膜が萎縮してしまい結局は視力が戻らないという場合もあります。これらの場合に対する治療として考えられているのが人工多能性細胞、iPS細胞による治療です。すでにiPS細胞により網膜色素上皮細胞をつくりだしヒトに移植する試みがなされて無事移植されたのと報告がありました。その後も経過は良好で、移植した細胞のガン化などの問題もおきていないそうです。網膜色素上皮細胞というのは網膜の土台部分です。土台部分の移植がなされても光を感じる細胞の方が生きていなくては光は取り戻せません。ところが、先月、人工多能性細胞、iPS細胞から作成した視細胞などを含む網膜を視覚を失ったマウスに移植したところ、光の反応するようになったマウスがいるとの研究成果が発表されました。つまり、土台部分のみならず光を感じる網膜本体の方の移植に成功したとのことなのです。ヒトではなくマウスで、成功率も30%程度ですが、これは画期的です。将来的に加齢黄斑変性症のみならず、網膜の病気全般に応用が期待できる成果です。ヒトに実用化されるのはまだまだ先でしょうが、医学は確実に進歩しているようですね。

2017年2月18日

症状に気が付きにくい緑内障

進歩した検査や治療で早期発見!

 

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緑内障は視神経の目側の根元の部分、視神経乳頭が傷ついてだんだんと視野が狭くなる病気で、緑内障の症状とは別の理由で受診して緑内障が発見される方が実に多いのです。日本における失明原因の第1位、40歳以上の20人に1人が緑内障であるとの統計が出ていますが、診断、治療を受けている緑内障患者はわずかに1割とも言われています。緑内障は視神経の目側の根元の部分、視神経乳頭が傷ついてだんだんと視野が狭くなる病気です。日本における失明原因の第1位、40歳以上の20人に1人が緑内障であるとの統計が出ていますが、診断、治療を受けている緑内障患者はわずかに1割とも言われています。緑内障の発見が遅れる一番大きな要因は症状に気が付きにくいことです。視野が狭くなるのですが、症状の進み方は非常にゆっくりなために見え方に慣れてしまうこと。両目でみているためお互いに視野を補ってしまい進行に気が付かない。視野欠損している部分は真っ暗に見えるわけではなく、これまでの経験と周りの景色から脳が像を補って見てしまうために気が付かないなどの理由が挙げられます。車の運転などで信号機などを見落としてしまったり、歩行者に気が付かなかったりしては大変です。人混みでよくぶつかるなどは実に危険なサインです。緑内障のほとんどはゆっくり、慢性に進行する病状です。従って高齢であればあるほど進行した緑内障である可能性が高く、比較的高齢での失明が多いのも特徴です。高齢化社会の日本ならではの問題ともいえます。せっかく長生きしても目が見えなくては、人生を楽しむのは難しいです。見えなくては歩行、食事、排せつの自立が困難になります。介護を受ける方もする方も大変困難な状況になってしまいます。緑内障は一度進行してしまうと元には戻らない病気ですから、早期発見が重要になります。緑内障かどうかを知るためには、眼科受診で眼底検査を受けて視神経乳頭を調べるのが確実です。一度の受診で緑内障かどうか、あるいは今後に危険性があるかを知ることができます。15年ほど前は緑内障であるかどうかは人の目で判断していましたが、現在では診断用の検査機器が発達したために、ほぼ確実に診断することが可能となっています。また、緑内障を進行させる高眼圧状態を改善する薬剤が随分と増えました。眼圧を下げる効果が高いだけではなく、他の緑内障の薬と組み合わせた点眼薬もいくつもでてきています。一日に数種類、数回点眼しなければならなかった時よりもかなり楽に治療できる時代になってきています。10年前に眼科に来たときは病気がなかったとおっしゃる方もいるのですが、その間に症状が出ていてもおかしくはありません。できれば年に1度は視力検査、眼圧検査、眼底検査を受けた方が良いでしょう。近視の方、血縁で緑内障の方がいる場合は自身も緑内障を患う可能性が高いですから、積極的に眼科を受診して下さい。以前に診断を受けて症状が変わらないからと治療を中断している方もいらっしゃいます。気が付いていないだけで徐々に進行する病気ですから受診を再開することを強くおすすめします。

2017年2月25日

つらい花粉症のお話

北海道ならではの傾向と対策

 

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「季節性アレルギー/花粉症」についてです。北海道は2月で雪のピークを迎えて、これから春に向けて徐々に温かくなってくることでしょう。この時期からの問題といえば花粉症です。北海道と本州では事情が異なるのです。本州ではスギ・ヒノキによる花粉症が猛威を振いますが、北海道では函館や道南圏以外ではスギ・ヒノキの花粉症は非常に少数です。北海道の三大花粉症はシラカバ・カモガヤ・ヨモギとされています。本州から来た方はスギ・ヒノキ花粉に悩まされない北海道は非常に快適なのではないでしょう。実は私もその一人で、北海道の春はとても快適で、この時期に東京に出向くのはどうしても躊躇してしまいます。北海道特有の花粉症の原因としてシラカバが良く知られています。シラカバ花粉の飛散時期はまさにこれからで、3月から7月くらいまでです。シラカバ花粉症の症状は鼻水・咳・くしゃみ・目や皮膚のかゆみなどです。風邪の症状と勘違いすることもあるのですが、目のかゆみと鼻水が一緒にある場合はアレルギー症状と考えて間違いないでしょう。シラカバ花粉症の特徴として知られているのは口腔アレルギー症状と果物過敏症です。統計によりますがシラカバ花粉症の20-30%の方にこれらがあると言われています。果物過敏症とは、主にバラ科の植物を食べると口の中が痒くなったり喉が腫れてしまう症状です。リンゴ、ナシ、サクランボなどが知られています。また、シラカバと同じカバノキ科のハンノキの花粉症にもかかりやすいとされています。ハンノキ花粉症はあまり聞いたことがないかもしれません。ハンノキ花粉症の特徴としては花粉の飛散時期が2-3月からとシラカバより早い時期であることがしられています。まだまだ寒い時期から花粉が飛散しますので、やはり風邪と勘違いされてしまうことが多いようです。シラカバよりも前に目のかゆみ、鼻水などのアレルギー症状が出たらこの花粉が原因かもしれません。また、シラカバ花粉と同じように果物過敏症がおこりやすいのも特徴です。すでに花粉症であることがわかっているならば、あらかじめ抗アレルギー剤などの処方を受けて、花粉飛散時期前から使用すると、随分と症状が楽になります。また、アレルギーの原因をしっかりと調べておくことも重要です。血液検査で簡単に判定できますから、クリニックで相談してみて下さい。アレルギーの原因がわかれば、それを避けることができます。花粉症の時期は外出時にマスク、メガネ、症状が強い場合はできればコンタクトレンズは控えた方が良いのですが、コンタクトレンズの上から点眼できるタイプの薬剤もあります。アレルギーに対する点眼薬は市販のものより病院で処方されるものの方が断然、効果が高いので症状が強い場合はお近くの眼科で相談して下さい。家の中に花粉を持ち込まないことも大切です。花粉が付着しにくいツルツルとした素材の服装、うがいと手洗いは励行しましょう。自宅に戻ったら、さっとお風呂に入ってしまうのも効果的だと思います。お部屋の掃除も大切です。空気清浄機も効果がありますから症状がひどい場合は是非、使いましょう。

 

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